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2020年度から75歳以上を対象に『フレイル健診』が始まります。 フレイルって何?

こんにちは。ヒデです。

2019年10月末、厚生労働省は、2020年度から75歳以上を対象に『フレイル健診』を導入することを発表しました。

このニュースを聞いて、フレイルって何??と思った方も多かったのではないでしょうか。

フレイルとは何でしょうか? 詳しく説明していきましょう。

フレイル

フレイルとは

フレイルとは『加齢に伴う様々な臓器機能の変化や予備能力低下によって外的なストレスに対する脆弱性が亢進した状態』とされます。

簡単に言い換えれば、歳を重ねるごとに内臓や脳、筋肉の機能が落ちてきます。

これにより、日常生活がおくりにくくなったり、転倒して骨折をしやすくなったり、入院などで認知症が進んだりして健康が障害されやすくなっている状態です。

フレイルの経過

このフレイルという状態は、健康な状態と支援や介護が必要となる【要支援・要介護状態】の中間に位置します。

そして、ポイントは、このフレイルの状態で介入することができれば、健康な状態には戻ることが可能とされているのです。

なるほど、ですからこのフレイルの状態を見つけるために『フレイル健診』をしようというのですね。

そして、要支援・要介護状態になるのを防ぎ、医療費を含めた社会保障費を減らそうというのが国の狙いのようですね。

つまり、このブログのテーマでもある「健康寿命を延ばしたい!」というわけです。

ちなみに、要介護認定がなく、認知機能障害のない高齢者の10%がこのフレイルにあたるといわれています。

そして、この「フレイル」という状態の人が5年後生きておられる確率(5年生存率)は70%といわれています。

がん全体の5年生存率(すべての部位のがんを併せて)は66%といわれてますので、それを考えると「フレイル」も恐ろしいですね…。

あなたはフレイル? ~フレイルの見つけ方~

では、あなたはフレイルという状態でしょうか?

どのようにフレイルの状態を見つけるのでしょうか?

ひとつは『簡易フレイルインデックス』というものがあります。

これは、次の5つの質問に答えるという簡単なものです。

  1. 6か月間で体重が2-3kg減りましたか?  はい⇒1点
  2. 以前に比べて歩くのが遅くなったと感じますか?  はい⇒1点
  3. ウォーキングなどの運動を週に1回以上してますか?  いいえ⇒1点
  4. 5分前のことが思い出せますか?  いいえ⇒1点
  5. ここ2週間の間に、理由なく疲れたような感じがありましたか?  はい⇒1点

さて、合計は何点になりましたか?

この合計が3点以上で、フレイルの状態が疑われます。

なお、1点~2点の人はフレイルの一歩手前の『プレフレイル』の状態の疑いがあります。

この質問の中で3.は運動の意味もありますが、外出して社会との関りがあるかという意味もあります。

フレイルは、身体的要因、精神心理的要因、そして社会的要因の多面的な評価とされています。

フレイルの3つの要素

 

フレイルの状態になると、認知症になりやすい

フレイルの問題点は、要介護状態だけではありません。

認知症になりやすいことも知られています。

フレイルの状態の人は、そうでない人と比較して

  • 血管性認知症に2.7倍なりやすい
  • アルツハイマー型認知症に1.2倍なりやすい
  • 全ての認知症に1.3倍なりやすい

という報告があるのです。

この『フレイル健診』には認知症になるのを防ぎたいという意味もありそうですね。

また、フレイル状態の人はそうでない人の2-3倍、うつ状態であるという報告もあります。

『フレイル健診』は、実際どのような健診になるの?

詳細はまだ発表されていないようですが、厚生労働省が以前にまとめた資料からは、次のような質問で実施されることが予測されます。

  1. 現在の健康状態はいかがですか?
  2. 毎日の生活に満足していますか?
  3. 1日3食きちんと食べていますか?
  4. 半年前に比べて硬いものが食べにくくなりましたか?
  5. お茶や汁物などでむせることがありますか?
  6. 6か月間で2-3kg以上の体重減少がありましたか?
  7. 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか?
  8. この1年間に転んだことがありますか?
  9. ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか?
  10. 周りの人から物忘れがあると言われていますか?
  11. 今日が何月何日かわからないときがありますか?
  12. タバコを吸いますか?
  13. 週に1回以上は外出していますか?
  14. 普段から家族や友人との付き合いがありますか?
  15. 体調が悪いときに、身近に相談できる人がいますか?

それぞれの回答はYES/NOではなく、それぞれの質問で色々なパターンが用意されると思います。

ちなみに、それぞれの意味合いは、

1.健康状態、2.心の健康状態、3.食習慣、4~5.口腔機能、6.体重変化、7-9.運動・転倒、10-11.認知機能、12.喫煙、13-14.社会参加、15.ソーシャルサポート   です。

多方面からその人のリスクを把握する形になっているのですね。

そして、点数ではなく、それぞれのサポート体制を整えるという形になるのではないでしょうか。

参考 ➡『フレイル健診』 予想される質問項目について解説します。

この健診結果を、どのように活かしていくかが一番大事!

個人的に思うのは、こういった健診結果をどのように活かしていくかが問題と思います。

例えば、『メタボ健診』が行われていますが、これで指摘された方はどのように改善されているのでしょうか?

多くの方が、「メタボって言われちゃった…」くらいで済ましているのではないでしょうか。

また、その結果を主治医に持っていっても、「運動して間食を減らして痩せないとね」というくらいの指導で終わってることが多いのではないでしょうか。

今回行われる予定の『フレイル健診』は『メタボ健診』よりもより複雑で、多方面のリスク評価のため、多方面からの支援が必要になります。

この結果を確実に改善し、認知症、老人性うつ、要介護状態になる人を減らし、健康寿命を延ばし、そして社会保障費の削減ができることが理想です。

そのためには、それにあわせた適切なサービスの提供が行われることを期待したいですね。

他にも今後、下記の病態も話題になってくるでしょう。参考にしてくださいね。

 

OPJリエゾン 2020年春号

 

日本サルコペニア・フレイル学会認定 サルコペニア・フレイル指導士テキスト

 

では、みなさん、今日も元気にお過ごしください!

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