こんにちは。ヒデです。
今回は、『運動することは薬を飲むより勝る!?』という話をしますね。
もくじ
Exercise is Medicine
EIMとは?
米国スポーツ医学会が『Excercise is Medicine』略してEIMというスローガンで啓もう活動を行っています。
このEIMは日本語訳にすると『運動は薬である』となるでしょうか。
つまり、運動は治療になる、もう少し言い換えると、健康のためには運動しなさいということになるでしょう。
厚生労働省のスローガン知ってますか?
このことは、米国スポーツ医学会だけでなく、日本の厚生労働省も同様のスローガンを作ってるんです。
毎年9月は『健康増進普及月間』として、下のスローガンを掲げています。
1に運動!、2に食事!、しっかり禁煙!、最後にクスリ
少し極端ですけど… 最後にクスリ というのが斬新に感じませんか?(*’▽’)
高血圧や糖尿病の患者さんに『やせるか薬を飲むか?』という質問でいいのか??
外来をしていると、高血圧や糖尿病の患者さんが、「前の病院で、やせるか薬を飲むかと言われて、薬を選んだんです。」ということが良くあります。
正直、数年前までは私も同様のことを言っていたかもしれません…。|д゚)
ただ、今ははっきり言います。「やせるとよくなる可能性があります。それまでは薬で調節しますが、その間に頑張って運動しましょう。」と。
私も正直、『最後にクスリ』はちょっと言い過ぎかなと個人的には思います。
ただ、そこまでの『1に運動!、2に食事!、しっかり禁煙!』まではその通りと思います。
実はこのEIM、医師に向けてのスローガンでもあるんです。
私もそうでしたが、外来で運動の重要性を話する医師は少ないです。
「運動しなさい。」と言うことはあっても、その運動内容を詳しく話する医師はあまりいません。
正直、運動の重要性に関して、医学部の勉強ではあまり教えられませんからね。
薬で血圧や糖尿病、コレステロールをコントロールできたら、動脈硬化は予防できると思っている医師が多いです。
私もそんな考え方でしたが、最近はかなり変わってきました。
どのような運動を、どの頻度でやっていくのが良いか、話することが多くなりました。
体を作るのはやはり運動と食事です。そこに、薬がサポートする、そういう考え方が正しいと考えています。
やはり、『生活習慣病』に対して生活習慣の改善無しで治療をすることはおかしいですよね。
EIMが医師に求めていること
このEIMの中には、医師に対して次のようなことを求めています。
医師に運動に対する啓もうやトレーニングを、そして医学教育にも運動のことを!
臨床医は患者さんに運動しているかを聞き、積極的に運動を進めること!
この流れは日本でも少しずつ取り込まれてきています。
でも、普及するまではまだ時間がかかりそうですね。(*_*;
運動することで改善が期待できる病気は?
さて、運動することで改善が期待できる病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
挙げるときりがないですが、特に次のようなものでしょうか。
- メタボリック症候群 ⇒健診でメタボリック症候群と言われたら…
- フレイル ⇒来年度から始まる『フレイル健診』 フレイルって何?
- サルコペニア ⇒健康寿命を短くする『サルコペニア』とはどんな状態でしょうか。
- ロコモティブシンドローム ⇒健康寿命を損ねる『ロコモティブシンドローム』って何?
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症・高コレステロール血症
- 脂肪肝
- 心臓病 ⇒『心臓リハビリテーション』 その必要性、実際の内容、効果などをわかりやすく解説します。
- 認知症(予防)
などなど…。
つまり、今、多くの医療費が使われている病気の改善が期待できるのです。
国民に適切な運動をしてもらうことが、一番の医療費削減への近道でしょう。
だから、厚生労働省も運動をすすめているんですね。
運動は薬より勝る
このように、運動することは様々な病気に良い影響を与えます。
ひとつの薬で多くの病気に対して効くものはありませんので、私は『運動は薬より勝る』と思います。
みなさん、しっかりと運動しましょう。
最初はウォーキングからで十分です。ひざの悪い方は自転車か水泳が良いでしょう。
10分程度からでもよいのでスタートして、徐々に時間を延ばして30分程度できればいいですね。
こういった運動は週に3-5日程度はできればいいですね。
どんな運動から開始すればよいのか、こちらに具体的に書きましたので、参考にしてくださいね。
⇒健康のために運動しましょう! でも、どんな運動からはじめるべき?
とりあえず、まずは、座りっぱなしの時間を少なくし、体を動かすようにしてくださいね。
では、みなさん、今日も元気にお過ごしください!
- 投稿タグ
- メタボリック症候群, ロコモティブシンドローム, 運動