こんにちは。ヒデです。

心臓リハビリテーションとは何か?という内容を以前に書きました。

参考 ➡『心臓リハビリテーション』 その必要性、実際の内容、効果などをわかりやすく解説します。

その時に、心臓リハビリテーションがいかに必要かなど詳しく説明しました。

今回は、現在の日本の心臓リハビリテーションの課題について触れたいと思います。

この記事を書くのに参考にしたのは、ドイツの心臓リハビリテーションの制度です。

できれば、将来的にドイツの心臓リハビリテーションの良い点を日本に取り入れればなぁ なんて夢を持っています。

ドイツの心臓リハビリテーション

なぜドイツか?

ドイツは日本と比べ、心臓病になる国民が非常に多い国です。

そのため、リハビリテーションに関しても日本より進んでいるところがあります。

私は現地の施設を見学し、日本の心臓リハビリテーションに足らないものを知りました。

そして、日本の心臓リハビリテーションに今後期待されるものが何かを考えるようになりました。

退院後の心臓リハビリテーションの日本とドイツの違い

ここでは、急性心筋梗塞の退院後の心臓リハビリテーションを例に挙げてみてみましょう。

日本の場合は、心臓リハビリテーション開始後、150日間は保険を使って外来の心臓リハビリテーション(約1時間の運動)に通うことができます。

150日以降は、その効果が認められた場合、月に4回、保険を使って心臓リハビリテーション(約1時間の運動)に通うことが認められています。

ただし、日本で外来の心臓リハビリテーションが受けられる施設は、一部の病院またはクリニックに限られるのが現状です。

ドイツの場合は、退院後、3~4週間ほど、毎日心臓リハビリテーションを行うことが認められています。というより、その権利が認められています。

この心臓リハビリテーションは、5-6時間におよび、運動だけでなく講義や調理などの実習もあります。

まるで学校ですね。(*’▽’)

つまり、その間、会社などを休んで心臓リハビリテーションに通うことができるのです。

そこでしっかり心臓病についての知識を得て、予防方法を学びます。

そして、不安なく社会に復帰し、きちんと税金や保険料を支払うようにという考え方です。

ドイツの心臓リハビリテーション通院施設

ドイツで急性期病院から退院後、心臓リハビリテーションを行うために通う施設は病院だけではありません。

心臓リハビリテーションを行うための施設が各地にあるようです。

下に示すのは、ドイツのある通院で心臓リハビリテーションを行う施設の時間割です。

水色が主に運動、橙色が講義、薄緑色はリラクゼーションする時間です。

また、施設内にはキッチンがあり、患者さんが集まって心臓病になりにくい食事などを自ら作って食べていたりしました。

日本の心臓リハビリテーションはまだここまでできる施設はないと思います。



ドイツの心臓リハビリテーション入所施設

また、ドイツで急性期病院から退院後、通院する施設だけでなく、入所して心臓リハビリテーションに取り組む施設もあります。

この入所施設では、そこに数週間滞在して、上と同じような時間割をこなしていきます。

私が見た施設にはプールや小さな体育館もあり、その患者さんにあわせたメニューが組まれます。

また、こちらでもキッチンがあり、同じように心臓病にやさしい食事を作りながら勉強されていました。

この施設を見て感心したのは、施設から出た後に復帰する仕事が可能かどうかも判断しているそうです。

ドイツで職場復帰後に通うことができる『ハートグループ』

ドイツの心臓リハビリテーションは、これらの施設で終わりません。

各地に『ハートグループ』と言われる、心臓病の患者さんが集まって運動するグループがあります。

ちなみに、この『ハートグループ』は生涯通じて参加できるようです。

この『ハートグループ』はドイツ全土に6000以上あり、そこに約12万人が参加しているようですので、非常に広く行われていることがわかります。

この『ハートグループ』では、それぞれの心臓の状態に併せて、日本で行われているようなエアロバイクを使った有酸素運動を行うところもあれば、球技などを行うところもあるようです。

この『ハートグループ』にも保険で補助が出ているようで、比較的安価で参加できるようになっているようです。

ドイツと比較し、日本の心臓リハビリテーションの今後に期待すること

ドイツと比較して日本の心臓リハビリテーションは色々と異なる点があることがわかっていただけたかと思います。

急性心筋梗塞などの退院後の心臓リハビリテーションなどは、ドイツの制度の方が時間はかかっても安心して職場に戻れるなど利点も多いかなと思います。

また、『ハートグループ』があり、継続して色々な運動できる環境が整っているのは非常にいいことだと思いました。

やはり、日本の場合は、保険が使える150日を過ぎた後、なかなか安心して運動できる場所がないのではないでしょうか。

上の図の赤の点線で囲った部分の心臓リハビリテーションができる環境をいかに整備できるかが、日本で今後期待されている部分ではないでしょうか。

ドイツの医療保険制度は…

ちなみに、日本とドイツの医療保険制度の違いについても少し触れておきます。

ドイツは日本のように国民皆保険がありますが、制度は少し異なります。

大きく分けると、下のように法定健康保険と民間健康保険の2つに分けられます。

・法定健康保険 (Statutory Health Insurance)

  民間が運営しており、収入額に応じて掛け金が変わる。

  治療費は会社が病院に支払うため、患者は支払う必要がない。

  しかし、受けることのできる検査や治療に制限があり、それ以上は自費になる。

  例えば、MRIなどの検査を受けるときも、予約が数か月先になったりする。

   +付加保険 (Additional insurances)

    これを追加で申し込むことで、法定健康保険でカバーされない歯科治療などもカバーされる。    

・民間健康保険 (Private Health Insurance)

  収入額が一定額より高い人は、法定健康保険に入らない権利があり、民間健康保険に入ることができる。

  こちらは、その人のリスクに応じて掛け金が変わる。

  治療費の支払いは患者が行い、それを保険会社が後から患者に支払う

  入る保険により受けることができる検査や治療が異なる。

  MRIなどの検査も比較的早く受けることができる。

どうでしょうか?

日本の医療保険制度の方がいいと思った方も多いかもしれませんね。(^^♪

 

~心臓リハビリテーションについての本の紹介~

心臓リハビリテーション指導士受験のためには欠かせない本
心臓リハビリテーション必携―指導士資格認定試験準拠

心臓リハビリテーションに携わるスタッフに1冊あれば助かる本
心臓リハビリテーションポケットマニュアル

心臓リハビリテーションを基礎から学ぶためのスタッフ向けの本
循環器ナーシング2017年3月 Vol.7No.3 特集:心臓リハビリテーションの運動療法~初心者さん・苦手さんのための基礎の基礎! ~

一般の方向けに心臓リハビリテーションを解説してくれている本
イラストでわかる患者さんのための心臓リハビリ入門

 

いかがでしたでしょうか?

日本の心臓リハビリテーションは、まだまだ発展途上だと個人的には思っています。

つまり、まだまだ私たちにできることがあると考えています。

今後、私も心臓リハビリテーションが必要な患者さんが、一生継続して行えるような制度作りに貢献できればと考えています。

 

では、みなさん、今日も元気にお過ごしください!