こんにちは。ヒデです。
前回から引き続き、メタボリック症候群のことを勉強していきましょう。
前回の記事は、こちらをご覧ください。 健診でメタボリック症候群と言われたら… ~放っておいて大丈夫?~
メタボリック症候群
腹囲の基準はどうやって決められた?
前回、腹囲の基準について話をしました。
もう一度メタボリック症候群の診断基準を載せておきます。
他の国と日本では基準が違うのでしたね。
まずは日本の基準に関して触れていきましょう。
CTで内臓脂肪面積を用いて基準を作成した日本
日本ではお腹のCT検査で内臓脂肪の面積を参考にこの基準が作られました。
これは、2002年に発表された論文で、日本人を対象にCTの内臓脂肪面積と腹囲の関係を調べたところ、下のようなグラフになったのです。
そこで、男性・女性それぞれ、内臓脂肪の面積が100cm2になるときのお腹回りが基準に使われています。
ちなみに、アメリカはBMI(体重(kg)/身長(m)2)が30になる腹囲を用いており、
ヨーロッパではウエスト/ヒップ比を用いている。
日本の場合、女性の方が男性の基準より甘いのは、女性の方が皮下脂肪がつきやすいからとされています。
内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?
内臓脂肪の面積を測るために使われる、お腹のCT画像はこんな感じになります
ちなみに、うえの凹んでいる場所がおへそ。真ん中やや下の白いものが背骨(椎骨)です。
この画像を内臓脂肪と皮下脂肪に色分けしたものがこちらになります。
赤色の部分が内臓脂肪、青色の部分が皮下脂肪です。
脂肪はこれまでただの油(エネルギーの貯蔵庫)と思われていたのですが、実は脂肪から様々な物質が出て、人の体に影響を及ぼしていることが最近分かってきております。
内臓脂肪と皮下脂肪では、それぞれ多く出る物質が違うのです。
皮下脂肪からはアディポネクチンという、動脈の老化(動脈硬化)を抑えたりする良い物質が多く出ることが分かっています。
一方で、内臓脂肪からはアンギオテンシン(血圧を上げる作用)、TNF-α(血管に炎症を起こし、動脈硬化を進ませる作用)、レジスチン(血糖を上げる作用)などの悪い物質が多く出るのです。
つまり、内臓脂肪が多いと、血圧を上げたり、血糖を上げたりすることになります。
ということは、内臓脂肪を減らすことで、高血圧や糖尿病を改善できる可能性があるということです。
なるほど、内臓脂肪の量を基準にメタボリック症候群の基準が作られているのは、理にかなっているように思えますね。
みなさんも、ご自身の内臓脂肪の量を知りたくなりましたか?
これは次回にしましょう。 ⇒内臓脂肪100㎠が基準のわけ
こちらも参考にしてください。⇒メタボリック症候群の改善に必要な運動
では、みなさん、今日も元気にお過ごしください!
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